24時間ホルター心電図で異常なしと診断されても、胸の違和感が続くことがあり、私自身もその一人でした。原因不明の不整脈を特定するには、長期間にわたり心臓を常に監視し続けることが重要だと実感しています。近年注目されている「埋め込みループレコーダー」は、最長3年にわたり心電図を記録し、決定的な瞬間を逃しません。本記事では、私の体験をもとに、この装置の仕組みから受診の流れまでを詳しく解説します。
24時間ホルター心電図で見つからない不整脈の正体
胸の痛みや激しい動悸などの違和感を感じて循環器内科を受診し、丸一日の心拍を記録する24時間ホルター心電図検査を受けた経験がある方は、意外と多いのではないでしょうか。
この検査は、日常生活の中での心拍の変化を捉える優れた方法ですが、あくまで「検査中の24時間」に症状が起きなければ、原因を特定することはできません。
特に、数週間に一度や数ヶ月に一度という頻度でしか発生しない一過性の不整脈の場合は、たった1日だけの計測で異常を見つけることは極めて困難であると言わざるを得ません。
医師から検査結果は「異常なし」と言われても、実際に自覚症状がある場合には、その一瞬の異常を確実に捉えるために、より長い期間にわたる継続的な監視が必要不可欠となります。
- 24時間以内に不整脈が発生しないと記録に残らない時もあります。
- 検査を行っている時に限って、症状が出ないという時もあります。
- 自覚症状があっても心電図に現れないと診断が確定しないでしょう。
不整脈の中には、失神や脳梗塞の原因となる深刻なものも含まれています。「異常なし」という結果を「健康」と過信せず、症状が続く場合は、次のステップとなる精密な検査を検討することが、自分自身の命を守ることにつながります。
私は15年ほど前に胸の痛みが有り心臓が針で刺される激痛で呼吸も出来ない程でした。それで何度か循環器内科で、24時間ホルターで検査しましたが毎回、異常無しでした。当時はどうしたらいいか途方に暮れてました。
常に心臓を監視する埋め込みループレコーダーとは
1日の検査で原因が分からない場合に提案されるのが、「植込み型心電図記録計(ループレコーダー)」です。これは、USBメモリよりもさらに小さなデバイスを胸の皮下に挿入し、長期間にわたって心電図を記録し続ける装置です。
最大の特徴は、最長で約3年間という非常に長い期間にわたって電池が持続し、日々の生活の中で、常に心臓を監視し続けて記録できるという画期的な点にあります。
これにより、たまにしか起きない動悸や、数ヶ月に一度の失神などの原因を捉える確率が大幅に向上します。24時間検査では不可能だった「決定的な瞬間」を逃さず記録できます。
皮下に植え込む薄く小さな医療機器で、24時間連続して心電図を記録します。不整脈が起きた時の心電図を自動で保存し、失神発作や気になる症状の原因を調べるために用います。
心臓の動きを最長3年間という長期的なスパンで見守ることで、これまで「原因不明」とされてきた胸の違和感や不安に対して、医学的に明確な答えを出せるようになります。
~植え込み型ループ心電計は、長期間(最長3年間)にわたり心臓の拍動を常に監視し、不整脈や失神などの症状が起きたときの心電図を記録する装置です(写真)。設定された心拍より高くなった場合、低くなった場合、リズムに乱れが生じた場合に自動的に心電図が記録されます。また、専用の携帯型リモコン装置を使って、任意のタイミングで心電図を記録することもできます。 植え込み型ループ心電計は原因不明の失神の検査だけではなく、2016年からは潜因性脳梗塞と診断された患者さんにおける心房細動の検出として植え込み適応も認められています。 本体は非常に小型であるので、1cm程度の皮膚切開で植え込むことが出来、15分程度で終わります。診断ができ、必要なくなれば体外に取り出すことが可能です。~
私の場合は胸の痛みでしたが、5年ほど前にスーパーで買い物中急に目の前が真っ暗になり目が見えなくなりました。でも意識は有り周りの声は聞こえ、丁度カート押してたので支えになり転倒は防げました。
目が見えなくなった原因が分からず、心臓手術で有名な病院に相談に行き何度か通院して、原因を調べる為に胸にループレコーダーを埋め込み24時間・365日、心臓を監視することになり入院しました。
検査の適応条件と最新のガイドラインによる判断
埋め込みループレコーダーは、誰もがすぐに受けられる検査ではありません。循環器学会の指針では、特定の条件を満たす場合に強く推奨されており、主に「原因不明の失神」や「潜因性脳梗塞」の疑いがある方が対象です。
特に、失神を繰り返しているものの、これまでの検査(心エコー、運動負荷試験、ホルター心電図など)で原因が特定できなかった患者さんにとって、このデバイスは診断の切り札となります。
また、それだけではなく、検査ではっきりと原因が特定できない脳梗塞の裏側に隠れている「心房細動」という不整脈を見つけ出すためにも、この装置は非常に有効に活用されています。
以下の表では、私たちがよく受ける一般的な心電図検査と、最新の医療技術である埋め込み型ループレコーダーの主な違いをわかりやすく一覧にまとめました。
| 検査項目 | ホルター心電図 | 埋め込みループレコーダー |
|---|---|---|
| 記録期間 | 24時間〜14日間 | 約3年間(電池寿命まで) |
| 主な目的 | 日常的な不整脈の検出 | 稀に起こる失神・動悸の解明 |
| 装着方法 | 体表にシールで貼付 | 皮下への微小な埋め込み |
| 生活制限 | 入浴制限がある場合も | 制限なし(入浴・運動可) |
全国で受けられる検査の費用と保険適用の仕組み
「埋め込み」と聞くと高額な費用を心配されるかもしれませんが、この検査は日本全国の医療機関で公的保険が適用されます。検査の必要性が医師によって認められれば、3割負担などの自己負担で受けることが可能です。
具体的な費用は、手術代やデバイス代を含めると高額になりますが、日本の「高額療養費制度」を利用することで、実際の支払額は一定の限度額内に抑えることができます。
個人の年収や年齢などの条件によって具体的な負担額は異なりますが、窓口での支払いは、一般的な入院手術を受けた際と同等程度の金額に収まるケースが、非常に多いです。
- 保険診療として認められており、全国の循環器科で相談できます。
- 高額療養費制度の利用により、実質負担を軽減できるでしょう。
- 2026年現在も、高度な診断が必要な症例においては、公的保険が適用される場合があります。
最新の診療報酬制度でも、植込み型心電図記録計の手術・摘出は項目としてあります。経済的な不安は、病院の医療ソーシャルワーカーに相談することで、具体的な負担額のシミュレーションが可能です。
胸の違和感を放置しないための行動ステップ
胸の不調がありながら「検査で異常がないから大丈夫」と放置するのは危険です。不整脈の中には、将来的に大きな病気を引き起こすサインが隠れていることがあります。不整脈の専門外来がある病院を受診することから始めましょう。
実際に受診される際は、「いつ」「どのような時に」「どのくらいの時間」症状が続いたのかを詳しくメモして持参することで、医師による診察が格段にスムーズに進みます。
担当の医師に対して「24時間検査の結果では出なかったが、やはり胸の症状が不安である」と正直な気持ちを伝えることが、診断に向けた次の一歩を踏み出す大切なきっかけになるでしょう。
最新の医療機器は、私たちの日常生活を大きく妨げるような不自由を感じさせることなく、まるで体の一部のように馴染みながら、静かに私たちの健康を24時間守り続けてくれます。
埋め込みループレコーダーのような高度な医療技術を正しく理解し、活用することで、原因不明の不安から解放され、より安心した毎日を送ることができるようになります。
- 症状の記録(日記)をつけ、医師に具体的に伝えましょう。
- 循環器専門医や不整脈相談窓口を利用すると、適切な診断と安心につながります。
- 必要に応じて、長期モニタリングの希望を相談する事をお勧めします。
私の手術は、入院した日の夕方に左胸の局部麻酔でした。15分ほどで手術は完了しましたが、しばらく歩行禁止でサポーターで左腕は身体に固定され胸の傷口が開かぬよう締め付けられ翌日までトイレも尿瓶でした。
そして3年半が経過、心電図は異常無し後1週間でループは電池切れるので手術で取り出す予定でした。3年半何も無かったので、もうループは入れない予定でした。しかしその時、買い物中また目の前が真っ暗で見えなくなりました。
翌日、病院から電話有り目が見えなくなったのは心臓が止まり脳に血液を送り切れず脳死手前でしたが、寸前で心臓が動いたために突然死を防げたとのことでした。そして胸にICDを埋め込む緊急手術が決まりました。
まとめ
24時間ホルター心電図で異常が見つからなくても、胸の不調が続く場合は埋め込みループレコーダーという選択肢があります。最長3年間にわたり心臓を監視できるため、稀にしか起きない症状の特定に非常に有効です。
保険適用も可能で、全国の専門医療機関で受けることができます。「異常なし」の言葉で片付けず、専門医と相談して納得のいく診断を目指しましょう。
あとがき
ループ手術から約5年目、ICD手術から2年が経ちました。当初は胸の痛みの原因が分からずに諦めかけた事もありました。しかし病院の先生からループの説明を受け、手術をして良かったと思ってます。
検査で異常が発見されないからと諦めてしまうよりも、なぜ不調が続くのかと原因を追及し続ける姿勢こそが、自分自身の体を本当に大切にすることに繋がると感じました。

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