スキルUPに活かせる日本伝統の上達プロセス「守破離」活用入門

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【スキルUPに活かせる日本伝統の上達プロセス「守破離」活用入門】

スキルアップしたいけれど、何から始めればいいのか分からない。そんなときに役立つのが、日本の伝統的な上達プロセスである守破離です。難しそうに見えて実はとてもシンプル。就労支援事業所で働く方にも、一般就労を目指す方にも活かせる成長のヒントを、わかりやすくご紹介します。

第1章 守破離とは?スキルUPに効く日本の成長メソッド

スキルアップには順番があります。守破離は、その順番を教えてくれる成長メソッドです。まずは全体像をつかんでいきましょう。

守破離の基本構造

守破離しゅはりとは、日本の武道や茶道などで受け継がれてきた上達の考え方です。結論から言うと、成長は三段階で進むというシンプルな理論です。
守は型を守る段階、破は型を工夫して発展させる段階、離は型から離れて自分のスタイルを確立する段階に相当します。

~守破離(しゅはり)
スキルなどを学ぶ際、身につけるプロセスを表現したもの。
守 は、師匠の教えなどの通りにできるレベルを指し、型通り、基本に忠実にできれば「守」の段階と言える。基本を身に着けたうえで、自分なりの工夫、自分らしさが加わって、多少師匠の教えをアレンジしていく。これが「 破 」である。最初に学んだ型から離れ、自分オリジナルの考えや方法を実現していくと、「 離 」となる。大切なのは、守破離の順番である。

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なぜスキルアップに効くのか

なぜこの考え方がスキルアップに効くのでしょうか。理由はいきなり自分らしさを求めなくていいからです。最初から独自性を出そうとすると、多くの人は迷子になります。しかし守破離は、まず真似ることから始めてよいと教えてくれます。これは社会参画して様々な職種で働く方にも共通する大切な視点です。

身近なたとえで考える守破離

たとえば料理を覚えるとき、最初はレシピ通りに作ります。これが守です。慣れてきたら味付けを少し変えてみる、これが破です。そして最終的に自分の定番料理ができる、これが離です。特別な才能ではなく順番を守ることが上達の近道なのです。

第2章 守 まずは型を守ることが最強の近道

遠回りに見えて、実は一番の近道。それが守の段階です。ここを丁寧に積み重ねることが、後の伸びを大きく左右します。

守とは徹底的に真似ること

守とは徹底的に真似ることです。手順通りにやる、マニュアル通りにやる、指示通りにやる、この姿勢が土台になります。守を甘く見るとその後の成長が不安定になります。なぜなら型にはうまくいく理由が詰まっているからです。

型を守ることが近道になる理由

スポーツでも仕事でも言えることですが、自己流で始めると修正に時間がかかります。最初から正しいフォームを身につけるほうが結果的に早く上達につながるものです。これは就労支援事業所を含む多くの職場作業でも同じです。作業手順を守ること、報告連絡相談を徹底すること、同じ品質を安定して出すこと、これらはすべて守の実践に相当します。

守が育てる自信と安定感

地味に感じるかもしれませんが、守は自信を育てるステージでもあります。毎日同じことをきちんとできるという実感は大きな安心感につながります。できることが増えるよりも、できることを安定して続けられることのほうが実は評価されやすいのです。

第3章 破 型を理解して工夫する段階

守が安定してきたら、次に進むのが破です。この段階で初めて工夫という概念が登場します。ただし、やみくもなアレンジではありません。

破とは型を理解して広げること

破という語句からは「型を壊す」というイメージを受けやすいことでしょう。しかしそれは真意ではありません、ここで言われている破とは「型を理解して広げる」ことです。なぜこの手順なのか、なぜこの順番なのかを考えられるようになると、改善のヒントが見えてきます。

作業効率を少し上げてみる、道具の配置を工夫する、自分に合ったやり方に微調整する。これが破の具体例です。

失敗が学びに変わる理由

この段階では失敗も学びになります。うまくいかなかった経験から元の型の意味を再確認できるからです。ただし基礎ができていない状態での自己流は破ではありません。それは単なる迷子です。守で土台ができているからこそ、破が成長につながります。

破がもたらす成長の実感

スキルアップを目指すすべての就労者にとって、破は自信が芽生える瞬間です。自分なりの工夫が通用したとき仕事はぐっと面白くなります。守で安定をつくり、破で広がりをつくる、この流れが着実な成長を後押ししてくれるのです。

第4章 「離」―自分らしい働き方を確立する

守と破を積み重ねた先に見えてくるのが離の段階です。ここでは、型に縛られすぎずに力を発揮できる状態を目指します。

離とは自由に使いこなせる状態

結論から言うと、離は自由の段階です。状況に応じて最適な判断ができる、マニュアルがなくても応用できる、自分の強みを活かせる、こうした状態が離です。なぜそれが可能になるかというと、守と破で土台と応用力が身についているからです。

ここまで来ると、スキルは意識しなくても使える状態になります。いちいち手順を思い出さなくても体が動く、自然に周囲を見て判断できる。これは特別な才能ではなく積み重ねの結果です。

離はゴールではなく自然体

ただし、離はゴールテープではありません。独立することや起業することだけが離ではないのです。大切なのは自分らしく安定して働けることです。たとえば、チームの中で自分の役割を確立することや、後輩にやり方を伝えられるようになることも立派な離です。

さらに、自分はこの作業が得意と言えるようになることも重要です。強みを言語化できる人は職場での存在感が高まります。守で基礎を固め、破で広げ、離で自分らしさを確立する、この流れが長く働き続ける力につながります。

第5章 就労支援事業所での守破離の活かし方

守破離は一般企業だけでなく、就労支援事業所でも活かせる考え方です。段階的に取り組むことで、安心しながらスキルアップを目指せます。

守の活用 安心して型を身につける

まずは守の実践です。具体的には、マニュアル化された作業を忠実にこなし、成功体験を積み重ねる段階に相当します。安定した出勤と作業リズムをつくることも大切です。安心してできることを少しずつ増やしていく、それが第一歩になります。

破の活用 小さな改善を重ねる

次に破の段階では、作業効率の小さな改善を試みることがテーマとなります。得意工程を見つけたり、自分に合ったやり方を探したりすることがポイントです。それによって自分の特性について理解を深められ、将来の選択肢を広げることにもつながります。

離の活用 役割を持つ喜び

離の段階では、役割の確立や簡単な指導補助を担うことが考えられます。一般就労への準備として、自分の強みを整理することも有効です。成長は一直線ではありません。体調や環境によって守に戻ることも自然です。守破離は序列ではなく循環と考えることが、無理なく続けるコツです。

第6章 守破離をスキルUPに活かす実践ステップ

最後に、守破離を日々の仕事に落とし込む具体的な視点を整理します。順番を意識するだけで、成長の見え方が変わります。

段階を見える化する

まずは自分が今どの段階にいるのかを確認します。守なのか、破に入りかけているのか、それとも離に近いのかを客観的に見てみましょう。現在地を知ることが、最短ルートへの第一歩です。

段階 意識すること 具体例(就労現場)
正確さ・再現性 手順通りに作業する、報連相を守る
理解・改善 効率の良い方法を提案する
自律・強みの確立 自分の得意分野を活かして役割を担う

順番を守ることが最大の近道

スキルアップは才能よりも順番が大切です。守を飛ばして破に行くと混乱し、破を経ずに離を目指すと空回りしてしまうことでしょう。だからこそ、まずは守る、次に工夫する、そして自然に離れる、この流れを意識することが重要です。

守破離は日本の伝統から生まれた知恵ですが、現代の職場や就労支援の現場でも実践できる成長モデルです。焦らず、比べず、昨日の自分より一歩前へ進む。その積み重ねこそがスキルアップへの確かな道になります。

まとめ

守破離は、型を守ることから始まり、工夫を重ね、やがて自分らしさにたどり着く成長プロセスです。就労支援事業所で働く方も、一般就労を目指す方も、この順番を意識するだけで日々の仕事の意味が変わります。特別な才能は必要ありません。守を大切にし、破で広げ、離で活かす、その積み重ねが、あなたらしい働き方を形づくっていくことでしょう。

あとがき

歴史を振り返ると、日本では幕末の文明開化により西洋近代文明が一般社会に普及し始めたことがわかります。遥か先を進む欧米列強に比較するとかなり出遅れたスタートです。であるにも関わらず、数十年の短期間で世界の主要先進国の仲間入りを果たしました。

その急速な成長は世界中に驚きをもって受け止められ、発展がおぼつかない国々からは日本がお手本として見られるケースもあったほどです。そんな日本の底力の背景にあったのは、まさにこの「守破離」の考え方だったのではないかと私は思います。

同じような概念は古今東西あらゆる国にありましたが、日本のように「守破離」という具体的なネーミングで、認識されるほど広く一般に浸透していたケースは稀だと言えるでしょう。そんな伝統的成長ノウハウをぜひ自分自身にも活かしましょう。

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