冬になると、なんだか気分が落ち込む、体がだるい、やる気が出ない…そんな経験はありませんか?特にメンタル系の不調を抱えている方にとって、寒さや日照不足は心身に大きな負担になります。この記事では、就労継続支援A型を利用している方にも取り入れやすい、冬を快適に過ごす“心と体のあたため習慣”をご紹介します。
第1章:冬になると気分が落ちるのはなぜ?
冬になると、いつもより気持ちが沈んでしまうことがあります。それは決して「気のせい」でも「怠け」でもありません。ここでは、冬特有のメンタル低下の原因を見ていきましょう。
冬に気分が落ちやすいのは自然なこと
寒さで体がこわばり、外に出るのもおっくうになりますよね。活動量が減ると脳の働きも鈍くなり、気分が下がりやすくなります。
また、寒さによって血流が悪くなってしまい、それに伴い自律神経のバランスも崩れやすくなります。これは誰にでも起こる、自然な体の反応です。
セロトニンと体内リズムの乱れ
冬は他の季節と比べて日照時間が短くなります。そのため、本来なら日光を浴びることによって脳内での分泌が増える神経伝達物質の一つセロトニン(幸せホルモン)が減少してしまいます。
セロトニンは気分の安定に関わる物質で、これが不足するとイライラや不安が出やすくなります。また、太陽の光が減ることで体内時計の乱れが起こり、眠気やだるさを感じやすくなるのです。
セロトニンを増やすためには日光浴が重要となります。セロトニンは、2000~3000ルクスほどの強い光を網膜が感じることで活性化します。
「冬季うつ」って聞いたことありますか?
冬季うつ、正式には「季節性情動障害」と呼ばれるもので、晩秋から冬にかけて気分の落ち込みや意欲低下が起きる状態を指します。
特徴としては、過眠・過食・体重増加などです、生活習慣を整えることで軽減できることもあります。
自分のせいにしないで
メンタル疾患を持つ方には、もともと気候に伴う気分の変動に敏感な特性をお持ちという傾向が多く見られます。そのため、冬の環境変化が心身により大きく影響を及ぼすことがあるのです。
でも、それは「あなたが弱いから」ではありません。体の仕組みがそうなっているだけ。まずは「そういう季節なんだ」と認めてあげることが、回復への第一歩です。
第2章:まずは体を温めよう!メンタルにも効く“ぽかぽか習慣”

心を整えるには、まず体を温めることが大切です。体の冷えは気分の冷えにもつながります。今日からできる“温活”を紹介します。
冷えとメンタルの深い関係
冷えると血流が悪くなり、自律神経が乱れることがあります。これがイライラや不安、だるさの原因になってしまうというわけです。体が冷えると「心まで寒くなる」というのは、気のせいではないんです。
おうちでできる簡単温活
自分でできる簡単な温活は、それほど難しいものではありません。白湯を飲む、湯たんぽを抱く、首やお腹、足首を温めるだけでも効果的です。
特に「首」のつく部分(首・手首・足首)を意識して温めると、体全体がぽかぽかしてきます。
食事で“内側から”温めよう
おいしい食べ物を温活に活かすのも効果的です。生姜・ねぎ・根菜類・味噌汁など、体を温める食材を積極的に取りましょう。温かい食事は心にも優しいエネルギーをくれます。
軽い運動で血流アップ
身体を動かすことも温活に大きな効果を発揮します。でも無理に運動する必要はありません。ラジオ体操やストレッチ、少しの散歩でもOKです。少し動くだけでも体温が上がり、気持ちも前向きになれますよ。
第3章:太陽と仲良く!日照不足をカバーする工夫
冬のメンタル不調の、要因の一つは「光の不足」です。太陽と上手につき合う工夫で、心も自然と明るくなります。
光とセロトニンの関係
太陽の光はセロトニンを作り出すスイッチのようなもの。朝に光を浴びることで、脳が「1日のスタートだ!」と目を覚まします。
室内でも“光活”はできる
外出が難しい日でも、工夫次第で日光を取り込むことは可能です。カーテンを開ける、もしくは光を通しやすいカーテンを使う、といった方法が挙げられます。その状態で窓際で過ごす時間を多く取るなど工夫してみましょう。
外に出るハードルを下げよう
「散歩する元気がない」ときは、ゴミ出しや買い物のついででも十分です。少し外に出るだけで気持ちがリセットされるでしょう。
光療法という選択肢
医療の現場では「ライトセラピー」という方法もあります。特別な機器などを使って一定の光を浴びるもので、医師に相談してみるのも良いでしょう。
第4章:心をほぐす生活リズムの整え方
冬はつい夜更かししたり、朝起きられなくなったりしがちです。でも生活リズムを少し整えるだけで、気持ちが安定します。
リズムが崩れる原因
寒さで布団から出られず、活動量が減ると睡眠リズムが乱れやすくなります。夜に眠れず昼にだるくなるという悪循環が起きるのです。
「ゆる固定」で整える
睡眠リズムを整えるには、毎朝の起床時間を定めることがベストと言えます。でも、決まった時間に寝起きするのが難しいときは“おおよそ”の固定すなわちゆる固定でもOKです。朝に光を浴び、食事時間を一定にするだけでも体内時計が安定します。
A型事業所のペースを味方に
就労継続支援A型の通所リズムは、生活を整えるチャンスと言えるでしょう。出勤時間が決まっていること自体が、心の安定剤になります。
「7割できればOK」の気持ちで
はじめから完璧を目指す必要はありません。まずは7割できたら自分を褒める、それくらいからのスタートでもちょうどいいんです。
第5章:心を守るための“つながり”の持ち方

寒い季節は、気づかないうちに人との距離まで冷えてしまうことがあります。ここでは、無理のない“あたたかいつながり方”をご紹介します。
人と話すだけで脳がリラックス
冬は孤独を感じやすい季節、寒さや外出の減少で、人と会う機会が減りがちです。孤独はメンタル不調を悪化させる要因にもなります。
それを防ぐには、安心できる人との楽しい会話が最適です。誰かと話すことでオキシトシン(安心ホルモン)が分泌され、心が軽くなります。
オンラインでもOK、職場や支援員とのつながりを大切に
支援員さんや仲間との会話が、あなたの支えになります。雑談でも十分に心が温まることでしょう。直接顔を合わせられなくても大丈夫、LINEやSNS、通話など、気軽に繋がれる方法を使ってみましょう。
話せない日があってもいい
しかし、時にはどうしても人と話したくない日もあるでしょう。コンディションの不調を押してコミュニケーションを取ろうとすると、かえって重い不調につながってしまうおそれもあります。
どうしても無理、そんな日は「無理しないで休む」ことも大切です。まずは自分自身をいたわりましょう。
第6章:無理せず続ける“マイペースな冬のセルフケア”
最後は、日々をちょっと楽にする「冬のセルフケア術」を紹介します。完璧じゃなくていい、あなたらしく過ごしましょう。
無理せず休む
布団から出られない、メンタル的な疾患を抱えている方にとってはそんな日があって当然です。自分を責める必要はありません。「今日は休む日」と受け止めてあげましょう。
小さな“できた”を見つけよう
毎日、少しでも達成感を得られれば、それが心の大きな栄養になります。顔を洗えた、朝ごはんを食べられたそんな小さなことでも立派な前進です。
周囲と協力しながら進む
支援スタッフや主治医に相談するだけでもOKです。自分の状態を誰かに話すことで、客観的なアドバイスや安心感を得られます。特に冬は気分が落ち込みやすく、ひとりで抱え込むとつらさが増してしまうこともあります。
小さなことでもいいので、「ちょっとしんどいな」と感じた時は、早めに周囲へ声をかけてみましょう。
“心をあたためる時間”を持つ
音楽・香り・温かい飲み物など、自分がほっとできる時間を意識的に作りましょう。お気に入りの曲を聴いたり、アロマやハーブティーを楽しんだりすることで、緊張していた心がふっとゆるませられるでしょう。
短い時間でも構いません。「自分を大切にする時間」を持つことが、メンタルケアの第一歩です。
冬を“癒しの季節”に変えよう
冬はつらいだけでなく、心を充電する季節にもなります。寒い日こそ、ゆっくり休んだり、趣味に没頭したりして「内側を整える時間」を過ごすチャンスです。
「焦らず、自分のペースでいい」と思えるだけで、冬の過ごし方がぐっと優しく変わります。
まとめ

冬は、メンタルにとって少し試練となる季節です。でも、体を温める・光を浴びる・人とつながる、そんな小さな習慣で心は変わります。大切なのは「頑張りすぎないこと」と「自分を責めないこと」と言えるでしょう。
就労継続支援A型を利用している方も、無理のないペースでケアを始めてみてください。この冬は、自分をあたためる時間を少しだけ増やしてみてはいかがでしょうか。
あとがき
私は幸い、冬の寒さが厳しくない地域に住んでいることもあり、夏場に比べて冬はとても過ごしやすく感じています。
しかし、気を抜くととうっかり体調を崩してしまうところが冬の油断ならないところ、今年も体調管理には気をつけていこうと思います。


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