著作権は怖くない!AIで既存作品のスタイルを抽出する創作の極意

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好きな作品の雰囲気を取り入れつつ自分の物語を作ってみたいと思われる方も少なくないでしょう。実は生成AIを活用すれば具体的なアイデアや表現を除いて作風のみを抽出することが可能です。本記事では参考にしたい作品の作風を活かしつつ著作権侵害のリスクを抑えて独自性の高いオリジナル作品を創り出す生成AIノウハウについて解説します。

生成AI創作における著作権の基本と安全な境界線

生成AIを使って創作活動を行う際最も気になるのが著作権の問題です。法律の基本を正しく理解すれば安全な領域と危険な領域を明確に区別できるようになります。ここでは創作活動で絶対に知っておくべき法律の基本原則を解説します。

法律が守る表現の範囲

日本の著作権法において保護される対象は具体的な表現であり、作風などは保護の対象外です。しかし作風を参考にする場合でも著作権侵害にあたるケースがあります。その具体例を以下の箇条書きの通りです。AI創作を行う際はルールを守り正しく活用しましょう。

  • 「既存キャラクターの外見や名前をそのまま登場させること」は著作権侵害です。
  • 「ストーリーの核心的な展開や重要なプロットを丸ごと模倣すること」は著作権侵害です。
  • 「既存キャラクターの特徴的な外見・設定・表現などを実質的に再現すること」 は著作権侵害が問題となる可能性があります。

~著作権とは、著作物の利用に関して著作物を創作した者(著作者)に認められた権利をいいます。
著作権の主な目的は、著作者がもつ権利を保護するとともに、著作物の公正な利用を確保することで、文化の発展に貢献することです。
~

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生成AIを使った既存作品の作風分析のやり方

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著作権をクリアしながら魅力的な要素を取り入れるためには、AIに作品の構造を正しく分析させることが重要です。実は作品名だけを伝えて「作風を分析して」と指示するだけでは、AIがあらすじや感想を返すだけでうまくいきません。分析で着目すべき視点を指定しながら、AI分析する手法について見ていきましょう。

スタイル抽出のためのプロンプト作成術とテンプレート

小説など文章作品を分析する際は「文体のリズムやトーン」「空気感など演出手法」「構造上の特徴」といった3つの視点を元に考えるというのも一つの手です。
この方法に則ったAIによる分析では、その3つの視点を取り入れたプロンプトの組み立て方が必要です。

具体的なプロンプトの一例として、以下のような形式が挙げられます。実際に文章をコピー&ペーストし、作品名部分(〇〇の部分)をご自身の参考にしたいタイトルに書き換えて活用してみてください。



#〇〇の作風や文章スタイルについて、ストーリーやキャラクターの固有名詞を一切出さずに、以下の3つの観点から詳細に分析してください。 - 文体のリズムやトーン - 空気感の演出手法 - 構造上の特徴 ↑ このプロンプトを実行し回答が得られたら、以下のプロンプトを出します ↓ #この分析内容を元に、著作権侵害を回避しつつ〇〇の作風に似たオリジナル作品を生成AIに作らせる際のプロンプトに取り入れるべき要素を挙げてください

このプロンプトでは先に述べた3つの観点で分析が行われます。しかし、これはあくまで必要最低限の観点と捉えても差し支えありません。さらに要素を分解し、分析観点を増やすことで、より詳細な分析結果が期待できます。

分析観点を増やしたい場合、実際にご自身でAIと相談しながら新たな項目を付け加えていくのが有効です。そうすることで、自分の指向にマッチした形での分析視点のカテゴライズが可能となるでしょう。

抽出したスタイルに独自アイディアを組み合わせるステップ

作風の分析データ(スタイル)が手に入ったら、その抽出したスタイルという「器」に、まったく新しいオリジナルのアイデアという「中身」を注ぐ工程に移ります。その具体的な考え方について見ていきましょう。

オリジナルストーリーと登場人物を設計する

AIに文章を書かせる前に、ご自身でまったく新しいオリジナル要素を準備します。例えば「硬質なハードボイルドの文体」という抽出スタイルを適用する土台として、「現代の地方都市におけるSNS炎上トラブル(独自の中身)」や「独自の動機を持つ新しい主人公のプロフィール」といった、独自アイデアを事前に用意しておきましょう。関係性を表で表すと以下の通りです。

組み合わせ要素 設定内容の具体例 生成されるオリジナル作品の効果
抽出スタイル(器) 感情を抑えた一人称視点、短いセンテンス、ドライな事実描写 特定作品の具体的な表現を再現することを避けながら、一般化した文章技法と自分自身のアイデアを組み合わせることで、独自性のある作品を目指せる
独自アイデア(中身) 現代の地方都市を舞台にしたSNS炎上トラブルと孤高の主人公

スタイルと独自アイディアを合体させる執筆プロンプト

続いてのステップは、準備した抽出スタイルと独自のアイディアを組み合わせてAIに文章を出力させるための執筆用プロンプトを実行する工程です。これによって法的リスクを回避しながら、狙ったテイストのオリジナル文章を生成することができます。この手法で生成AIに小説のワンシーンを執筆させる際のプロンプトは以下の通りです。


#あなたはプロの小説家です。以下の作風定義(スタイル)を厳守し、以下の独自設定に基づいた小説のワンシーンを執筆してください。 ##作風定義(スタイル):~ここに作風の分析データ(スタイル)を入れます~ ##独自設定:~ここにオリジナルの独自アイデアを入れます~

このプロンプト内を使用する際のポイントは、作風定義(スタイル)について詳細に記入することです。しかし、その細かさが密になりすぎると参考元の作品に近づきすぎて著作権侵害のリスクが高まりかねません。

参考にしたい作品の分析結果全体を作風提示に充てるのではなく、この作品のこういった部分を取り入れたい、というお気に入りのポイントに絞って活用すると良いでしょう。

筆者による実践:気になるアノ小説の作風を分析し文章作成した結果

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さて、AIを使って既存の物語作品の作風を分析し、それを自分自身のオリジナルとして使う方法について述べてまいりましたが、ここまで読んでくださった皆さんはきっとこう思っておられることでしょう。「この方法を実際に使ってみたらどうなるの?」と。

そんなわけで、筆者である私自身が気になっているとある文学作品を用いてやってみたいと思います。皆さんは埴谷雄高という、戦後間もない頃に活躍した作家さんをご存知でしょうか?その方が執筆した「死靈」というタイトルの長編小説があるのですが、これまた非常に読みにくい難解な内容となっております。

あまりにもわけがわからなすぎて私は何度も泣きそうな思いを強いられてきた、そんな小説です。しかしその作風があたかも現代人の抱えるそこはかとない不安感や絶望のイメージと重なるような感じでもあり、私にとっては気になる作品の一つとなっております。そんな埴谷雄高著「死靈」の作風を持つ、ライトノベル的あるいはなろう小説的文章の一節をAIに作らせてみましょう。

まずは「スタイル抽出のためのプロンプト作成術とテンプレート」の項で挙げたプロンプトを用い、小説「死靈」の作風分析データを抽出します。これによって、「スタイルと独自アイディアを合体させる執筆プロンプト」の項で挙げた執筆プロンプト内、作風定義(スタイル)に記入するデータが多数得られました。今回は抽出データの中から厳選して使用します。

続いて、執筆プロンプト内の独自設定について考えていきます。私の独断と偏見によれば、埴谷雄高的世界観は絶望感漂う系のSFファンタジーとマッチする気がしておりますので、そんな要素を独自設定として使います。以上の条件を含めて出来たプロンプトは以下のとおりです。


#あなたはプロの小説家です。以下の作風定義(スタイル)を厳守し、以下の独自設定に基づいた小説のワンシーンを執筆してください。 ##作風定義(スタイル): - 感情の起伏や感傷的な叙情を徹底的に排除し、数学的・論理的証明を組み立てるような硬質な文体で記述してください - 静寂の中にある微弱な物音や、目に見えない異質な気配が全篇に低音のように響きわたる、冷徹で不気味なトーンを維持してください - 表向きはサスペンスや日常の枠組みを借りながら、その実態は純粋な形而上学的問いの構築物であるような二重構造にしてください ##独自設定: - 近未来。人類滅亡間近のディストピア社会が舞台 - 人類を脅かす得体のしれない超次元的生物に唯一対抗できるサイキック能力を持った少年少女を主人公とする群像劇 - 少年少女たちは人知を超えた能力を持つことと引き換えに各々深刻なトラウマを抱えている

さて、このように生成AIへ指示を送ることになったのですが、その結果はどうなるのでしょう?本記事に記載したい思いも山々ですが、本サイトの規定文字数を超過してしまうため掲載は割愛させていただきます。結果を確認されたい場合は、上記プロンプトをコピペしご自身で生成AIに実行させてみてください。

かつて埴谷雄高著「死靈」を読んで、あまりにもわけがわからなすぎて泣きそうになった私ですが、AIの執筆結果をご覧になった皆さんにもきっと私と同じ気分を味わっていただけるものと思われます。

まとめ

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生成AIを活用して既存作品の作風を分析し、著作権に配慮したオリジナル物語 を創る手法について解説しました。スタイルという器に独自のアイデアを掛け合わせることで、法的リスクを抑えながら創作活動を楽しめます。AIを心強いパートナーとしてあなたの表現力をさらに広げていきましょう。

あとがき

今回ご紹介したプロンプトおよびノウハウは、小説などの文章を対象としたものとなっています。しかしこの手法は、マンガ・イラスト・動画についても、同じ工程での流用が可能となることでしょう。機会がありましたら今後、文章以外の他コンテンツを対象とした記事を作成できればと思っております。

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