新しい一歩を踏み出したあなたへ。私も初めてA型事業所に通い始めたころは、期待よりも「明日も通えるだろうか」という強い緊張で胸がいっぱいでした。実は、多くの利用者が「最初の1ヶ月」を最もハードだと感じており、私自身も環境や人間関係、不慣れな作業に心身を削られる毎日を経験しました。本記事では、記者の実体験を交えながら、この時期を無理なく乗り切り、自分らしく通い続けるための5つの習慣をご紹介します。
なぜ「最初の1ヶ月」が一番しんどい?不安の正体を知る
私がA型事業所に通い始めてすぐの頃、心身ともにエネルギーの消耗が激しく、帰宅後は泥のように眠る毎日でした。慣れない通勤ルート、スタッフの方や他の利用者さんとの距離感、そして「早く仕事を覚えなきゃ」というプレッシャーが、無意識のうちに私を疲れさせていたのです。
当時は「自分はなんて体力がないんだ」と落ち込みましたが、今思えばこれは怠けではなく、新しい環境に適応しようと脳がフル回転していた可能性があります。
実体験から言えるのは、最初の1ヶ月は仕事を完璧に覚える期間ではなく、「事業所に出勤すること」が最大の目標だということです。さらに、当時の私は「期待に応えたい」と意欲が空回りし、知らぬ間に限界を超えていました。
今は自分を追い込むのではなく、一日の終わりに「今日も通えた」という事実を、精一杯褒めてあげる時間を大切にしています。
~就労継続支援A型は雇用契約を結んで働くことができる
就労継続支援はA型とB型の2種類に分かれており、雇用契約を結んだ上で働くことができるのはA型のみです。
就労継続支援A型を利用できるのは、特別支援学校を卒業して就職活動を行ったものの雇用に結びつかなかった方や、企業での就労経験があり離職を経て現在は働いていない方、就労移行支援事業所等の利用で就職活動を行ったが雇用に結びつかなかった方等です。~
不安を安心に変える!1ヶ月目を守り抜く「5つの習慣」
新しい環境で自分を保つために、私が実際に支えにしていたのが日々のルーティンです。特に最初の頃は「何を話せばいいかわからない」と悩みましたが、まずはコミュニケーションとして、「自分からの挨拶」だけを徹底しました。
また、不慣れな作業でのパニックを防いでくれたのが「メモして質問」という習慣です。分からないことが出た際、焦って即座に聞くのではなく、一度メモに書き出すようにすることで自分の頭が整理され、スタッフさんへの相談も驚くほどスムーズになり、作業への不安が自信へと変わっていきました。
| 習慣の名称 | 私のアクション | 実感した効果 |
|---|---|---|
| 挨拶の先出し | 「おはよう」を誰よりも先に言う | 居場所ができて緊張が和らいだ |
| メモ質問術 | 聞きたいことを3つ貯めてから聞く | 「聞き忘れ」がなくなりミス激減 |
| 反省会の強制終了 | 玄関をまたいだら仕事は忘れる | 夜ぐっすり眠れるようになった |
| 体調の数値化 | 手帳に体調を「点数」でつける | 休むタイミングが予測できた |
| スタッフの活用 | 雑談ついでに「少し疲れた」と話す | 味方がいる安心感で通所が楽に |
もちろん、私はこれらを最初から完璧にできたわけではありません。「今日は挨拶だけできた」と一つでも実行できた自分を認めることから始めました。こうした小さな行動の積み重ねが、漠然とした不安を確かな自信へと変え、私の通所を支える強力な武器になってくれたのです。まずは無理のない範囲で、あなたなりの「小さな一歩」を試してみてください。
無理しない働き方を支える!3つのマインドセット
A型事業所で長く続けるために、私は自分の考え方のクセを少しずつ変えていきました。最も大きな気づきは、「自分のペースこそが正解」だということです。
以前の私は、周りのベテラン利用者さんと自分を比較しては「自分は作業が遅い」と勝手に落ち込んでいたのです。しかし、支援員さんとの対話を通じて、A型事業所はあくまで就労の訓練の場であると再認識しました。
最初からプロのように動ける人はいません。むしろ、今のうちに自分の限界を知り、どこまでなら持続可能かを把握することこそが、将来のステップアップに向けた大きな一歩になると実感しました。
- 60点主義:完璧主義を捨て「まずは通所できたこと」を最大の成果として自分を褒める。
- 比較の禁止:他人は他人。比べるべきは「昨日の自分」だけだと心に決めました。
- 休みは権利:どうしても辛い時は無理せず休む。これも「自己管理」という大切な業務です。
焦りや不安が湧いてきたとき、私は大きく深呼吸をするようにしています。
自分が笑顔で通い続けられるバランスこそが、何よりも優先すべき「仕事の質」なのだと、今の私は自信を持って言えます。
もし「どうしても辛い」と感じたら?支援員という味方の頼り方
A型事業所に通い始めて1ヶ月。私も「胸が苦しくて家を出られない」「どうしても朝が起きられない」という限界に近い日を経験しました。そんな時、私を救ってくれたのはスタッフ(支援員)という心強い味方の存在でした。
当初、相談することは「めいわく」だと思い込んでいた私ですが勇気を出して伝えてみると、それは全くの誤解だと気づかされました。早めに不調を共有したことで、業務量の調整や、少し静かな席への配置換えなど、具体的な対策を一緒に考えてもらえたのです。「辛いです」と伝えることは自分を守るための立派な仕事なのだと実感した瞬間でした。
- 実体験した伝え方:「全部が不安」ではなく「作業のこの工程で焦ってしまう」と具体的に伝えると、的確なアドバイスがもらえました。
- 個別面談の活用:立ち話ではなく、静かな場所で定期的に不安を整理してもらうことで、心のトゲが少しずつ和らいでいく感覚があります。
- 通所日数の調整:体調を崩した際、一度週3日に減らして再スタートしたことが、結果的に長く続ける秘訣と感じています。
スタッフの方々は、私が「長く続けてくれること」を誰よりも願ってくれていました。今の辛さを隠さずに共有することは、支援員さんにとっても「どうサポートすれば良いか」を知るための大切なヒントになります。
一人で抱え込まずに、まずは一番話しやすいスタッフさんに、今の気持ちをポツリとこぼしてみることから始めてみませんか。
1ヶ月を乗り越えた先の景色|止まらないより戻れる強さを
A型事業所での最初の1ヶ月をなんとか乗り切ったとき、あんなに緊張した事業所の雰囲気や作業の流れが、少しずつ私の「日常」へと変わっていくのを感じました。
もちろん、今でも体調の波に振り回される日はありますが、「あのしんどい1ヶ月を乗り越えられた」という経験は、何物にも代えがたい確かな自信となっています。
これまでの経験で気づいたのは、疲れたら潔く立ち止まり、エネルギーが溜まったらまた一歩踏み出すということです。この「戻れる力」を育むことと私は決して一人で戦っているわけではない、そう思う気持ちになってから心がぐっと軽くなりました。
かつての私と同じように不安を抱えているあなたへ。今日まで通えた自分を、まずは思いきり褒めてあげてください。明日の不安は、明日の自分に任せれば大丈夫です。
たとえ途中で足が止まっても、それは決して失敗なんかじゃありません。休息は、次の一歩をより力強く踏み出すための大切な準備期間です。焦らず、何度でも「今の自分」として戻ってこられる柔軟さを、一緒に大切にしていきませんか。
まとめ
A型事業所の最初の1ヶ月は、環境に慣れる過程で疲れを感じやすい時期かもしれません。挨拶、メモ質問、反省会の終了、体調記録、スタッフへの相談という5つの習慣を取り入れることで、不安が和らぐこともあるでしょう。
完璧主義を少し手放し、自分のペースを大切にすることが、長く続けるためのヒントになる場合もあります。どうしても辛い時はスタッフを味方として頼りながら、無理のない働き方を少しずつ見つけていけるとよいでしょう。
あとがき
私が初めてA型事業所を利用した日、あの「足がすくむような感覚」を鮮明に思い出しました。私自身、利用を始めたばかりの頃は「早く仕事を覚えて役に立たなければ」と自分を追い込み、焦りのあまり自滅しそうになったことが何度もありました。
しかし、1ヶ月、3ヶ月と続けていくうちに気づいたのは、大切なのは作業の速さではなく、自分を壊さない「持続可能なペース」を見つけることでした。
この記事が、慣れない環境で今日を必死に生きるあなたの心を、ふっと軽くするお守りのような存在になればこれほど嬉しいことはありません。焦らず、あなたの歩幅で進んでいきましょう。


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