2026年2月現在、日本ではインフルエンザやRSウイルス、感染性胃腸炎といった感染症が猛威を振るっています。特に障がいを持つ方やそのご家族、福祉関係者にとって、感染症への備えは日常生活を維持するために欠かせない重要な課題です。身体的な理由や情報伝達の壁により、対策が難しい場面も少なくありません。本記事では、現在の流行状況を踏まえた具体的な予防策と、障がい特性に応じた周囲の配慮ポイントについて詳しく解説します。
2026年2月の感染症流行状況と予測
最新の流行動向を把握することは、迅速な初動対応に繋がります。公的機関のデータを基に、今警戒すべきウイルスの種類を確認しましょう。
インフルエンザB型と呼吸器感染症の急増
2026年に入り、日本の感染症状況は予断を許さない局面を迎えています。厚生労働省の発表によると、1月下旬からインフルエンザの報告数が再び10万人を超え、東京都では今シーズン2度目の警報レベルに達しました。当初はA型が主流でしたが、現在はB型への移行が急速に進んでおり、過去にA型に感染した人でも再感染するリスクが高まっています。
また、RSウイルス感染症や感染性胃腸炎も増加傾向にあり、施設内での集団感染に対する厳重な警戒が必要です。2026年現在の主要な感染症とその特徴を以下の表にまとめました。
| 感染症名 | 2026年2月の状況 | 主な症状と注意点 |
|---|---|---|
| インフルエンザB型 | 全国的に急増・警報レベル | 高熱、筋肉痛、下痢。A型既感染者も注意。 |
| RSウイルス感染症 | 乳幼児に多い。報告数が増加傾向 | 咳、鼻水、気管支炎。高齢者や乳幼児は重症化リスク。 |
| 感染性胃腸炎 | 高い水準で推移 | 主に嘔吐、下痢。アルコール消毒が効きにくい。 |
インフルエンザB型への警戒を強め、手洗い、適切な湿度管理、換気を徹底するため現在の流行対策として重要なポイントは以下です。
- インフルエンザB型の流行ピークに備え、人混みでのマスク着用、手洗いうがいを徹底する。
- 手洗いは石鹸を用いて15秒以上行い、指先や手首まで丁寧に洗う。
- 室温18度以上、湿度40%以上を維持し、定期的な換気を行う。
障がい特性に合わせた感染予防の工夫
身体や認知の特性によって、標準的な予防法が実践しにくい場合があります。個々の事情に寄り添った柔軟な代替案を検討しましょう。
情報伝達と物理的な障壁へのアプローチ
障がいを持つ方の中には、従来の感染対策をそのまま実行することが難しいケースがあります。例えば視覚障がいがある場合、日常生活で物に触れて確認することが多いため、手からの感染リスクが高まりやすくなります。
一方、聴覚障がいがある方は、周囲の人がマスクをしていると口元の動きや表情が読み取れず、大切な情報の聞き逃しが発生することがあります。このように、それぞれの特性を理解した上での個々の対策が、本人と周囲を守る鍵となります。障がい特性に応じた具体的な配慮の例を挙げます。
- 視覚障がい者には、消毒液の位置を声で伝えたり、手すりの定期消毒を強化する。
- 聴覚障がい者には、透明マスクの活用や、文字情報を併用して状況を伝える。
- 知的・発達障がい者には、絵カードを用いて視覚的に伝えるなど、わかりやすく予防手順を説明する。
厚生労働省のガイドラインでも、一律の対策ではなく、個別の特性に応じた合理的配慮の重要性が強調されています。感覚過敏によりマスクの着用が困難な方に対しては、無理強いをせず、それぞれの環境に応じて周囲が距離を取るなど、適切な対応するよう推奨されています。
知人や親族は、本人がどのような部分に困難を感じているかを丁寧に聞き取り、環境を整えることが求められます。
福祉関係者が実践すべき施設内感染対策
多くの人が集まる現場では、一人の持ち込みが大きな被害に直結します。組織全体で衛生管理の基準を統一し、隙のない体制を築きます。
持ち込まない広げないための徹底管理
障がい者福祉サービスに携わる職員は、自身が感染源にならないための徹底した体調管理が求められます。2026年現在の流行状況では、無症状であってもウイルスを保有している可能性があるため、勤務中のマスク着用と、こまめな手指消毒は依然として基本のルールです。
また施設内へのウイルス持ち込みを防ぐため、出勤前の検温だけでなく、家族の体調不良時にも迅速に報告・相談できる体制を構築しておくことが、集団感染を防ぐ最大の防御策となります。共有部分の消毒、介助前後の手洗い、そして密閉空間の常時換気を徹底するために、福祉現場で優先すべき衛生管理のポイントは以下です。
- 共有部分(手すり、ドアノブ、車いすのリモコン等)の定期的なアルコール消毒。
- 食事介助や身体介助の前後は、必ず石鹸による手洗いと手指消毒を行う。
- 送迎車内やプレイルームなど、密になりやすい空間の常時換気を実施する。
職員一人ひとりが「自分が防波堤になる」という意識を持つと同時に、過度な負担にならないよう、応援体制の整備やICTを活用した健康観察の効率化も進めるべきです。
また、感染者が発生した際に備え、個室の確保や防護具の備蓄状況を今一度確認しておくことが推奨されます。衛生意識の向上が施設全体の安全を支えます。
インフルエンザや新型コロナウイルス感染症をはじめとする、今冬の急性呼吸器感染症(以下「ARI」という。)の流行に備え、「令和7年度ARI総合対策」を取りまとめ、国や地方自治体がARI対策に取り組むとともに、広く国民の皆様にARIに関する情報を提供し、適切な対応を呼びかけることといたしました。
親族や知人が気をつけるべき交流のポイント
会いたい気持ちを大切にしつつ、今は相手の健康を最優先に考えましょう。リスクを最小限に抑える面会のマナーを再確認してください。
重症化リスクを考慮した優しいコミュニケーション
障がいを持つ方の親族や知人として、流行期に交流を持つ際には細心の注意が必要です。特に基礎疾患がある場合、インフルエンザやRSウイルスは重症化しやすく、命に関わる事態を招きかねません。会う前には自分自身の健康チェックを行い、少しでも喉の違和感や微熱がある場合は、面会を控える勇気を持つことが大切です。
最近ではオンライン面会を推奨する施設も増えており、直接会わなくても顔を見て話せる手段を確保しておくことが、お互いの安心に繋がります。訪問時や外出時に意識したい具体的な行動は以下の通りです。
- 訪問前に検温を行い、過去数日間の体調に変化がなかったか確認する。
- 本人の前では正しくマスクを着用し、大きな声での会話は控える。
- 外出を共にする際は、混雑する時間帯や場所を避け、滞在時間を短縮する。
また、障がい者手帳を持つ方の中には、社会的な孤立を感じている方も少なくありません。感染症対策のために接触を断つだけではなく、電話やSNSなどを活用して心の繋がりを維持する配慮も忘れないでください。
安心できる環境を提供しながら、必要な支援を継続することが、肉体的な健康だけでなく精神的な健康を守ることにも寄与します。周囲の優しい見守りと適切な行動が、流行期を乗り切る大きな力となります。
流行後の春に向けて今から備えるべきこと
寒さが和らぐ時期には、新たなウイルスの動きが活発になります。季節の変わり目に流行しやすい疾患を知り、先手必勝で備えましょう。
麻疹や咽頭結膜熱への警戒とワクチン確認
インフルエンザ流行が落ち着いた後も、春先には別の感染症が待ち構えています。春から夏にかけては、感染力が非常に強い麻疹(はしか)や、喉の痛みと充血を伴う咽頭結膜熱(プール熱)が増加する傾向にあります。特に2026年は、人流の増加に伴い海外からの持ち込み感染も懸念されています。
今のうちに自身のワクチン接種歴を確認し、必要に応じて追加接種を検討することが、春以降の集団感染を防ぐための有効な備えとなります。春に向けた感染症予防の準備リストは以下になります。
- 母子手帳を確認し、麻疹・風しん(MR)ワクチンの接種歴を再確認する。
- 新年度の生活環境の変化に備え、予備のマスクや消毒液を補充しておく。
- 喉の痛みや発疹など、春に多い感染症特有の初期症状を正しく知る。
障がい者本人やその家族にとって、予防接種は最も確実な防衛手段の一つです。自治体によっては、障がい者向けの優先接種枠や費用助成を行っている場合があるため、お住まいの地域の公式情報をチェックしておきましょう。また、春は花粉症の時期とも重なり、目や鼻を触る機会が増えるため、接触感染のリスクが高まります。
こまめな手洗いの習慣を継続し、清潔なタオルを使用する工夫も、引き続き行っていきましょう。早めの準備が安心を生みます。
まとめ
2026年2月現在、インフルエンザB型を中心に複数の感染症が流行しています。障がいを持つ方やその周囲の方は、それぞれの特性に合わせた合理的配慮を行いながら、基本の手洗い・換気・マスク着用を徹底することが不可欠です。
福祉関係者や親族は、常に最新の一次情報を確認し、体調管理とコミュニケーションの工夫を継続してください。一人ひとりの適切な行動が、誰もが安心して過ごせる社会を守ることに繋がります。
あとがき
2026年2月、インフルエンザB型の猛威を前に、改めて「誰一人取り残さない対策」の重要性を痛感しています。単なる消毒の徹底だけでなく、視覚や聴覚といった特性に寄り添う「合理的配慮」こそが、福祉現場や家庭での真の防波堤になると感じました。
支え手側の健康管理も大きな責任を伴いますが、心の繋がりを絶やさず、最新情報に注視し、この流行期を皆で健やかに乗り越えていきたいものです。


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