仕事や生活で頑張りたい気持ちはあるのに、気づくと疲れ切ってしまう。そんな経験はありませんか。モチベーションを保とうとして無理を重ねるほど、心が消耗してしまうこともあります。この記事では、無理に自分を奮い立たせるのではなく、モチベーションを守りながら働き続けるためのマインドセットについて、やさしく分かりやすく解説していきます。
第1章 そもそもマインドセットとは何か 難しく考えなくて大丈夫です
マインドセットという言葉は聞き慣れないかもしれませんが、実は誰もが毎日使っています。この章では、専門用語に振り回されず、身近な感覚で理解できるよう整理していきます。
マインドセットは考え方ではなく心のクセ
結論から言うと、マインドセットとは考え方そのものではなく、物事を見たときに自然に出てくる心の反応のクセです。自分なりに無意識で持っている価値観という言い方もできます。前向きに考えようと無理をするポジティブ思考とは違い、もっと無意識に近い部分で働いています。
例えば、仕事で少しミスをしたときに、すぐに自分は向いていないと思う人もいれば、今日は調子が悪かっただけと受け止める人もいますよね。このような個人差がマインドセットの違いです。
これは、どちらが良くてどちらが悪いというものではありません。そういった解釈ではなく、マインドセットが日常の判断や気分の持ち方にどう影響しているのか?と捉える観点が重要となります。
~「マインドセット」とは、考え方や物事の見方の「癖」のようなものを意味する。生まれ育った環境や先天的な性質、時代背景、経験によって形成され、信念や心構え、価値観、判断基準にもマインドセットが影響を与えている。~
メンタルに不安がある人ほど影響を受けやすい理由
心に不安を抱えている人ほど自分を責めてしまうマインドセットの影響を受けやすい傾向があります。メンタルが弱っていると自己評価が下がりやすく、その背後に自分を追い詰めるマインドセットが働いていると考えられるからです。
不調が続くと、できなかった出来事ばかりが目につき、できない自分には価値がないと感じやすくなります。この思考が積み重なると、挑戦する前から疲れてしまい、モチベーションも下がっていきます。
就労継続支援A型を利用している方の中にも、こうした感覚を抱いている人は少ないのではないでしょうか。能力の問題ではなく、心の状態によってマインドセットが厳しくなっているだけの場合も多いのです。
第2章 モチベーションが下がる本当の原因はやる気不足じゃない
モチベーションが続かないと、自分は意志が弱いと責めてしまいがちです。しかし原因はもっと現実的なところにあります。
モチベーションは気分ではなく消耗資源
結論として、モチベーションは感情ではなく、消耗する資源です。疲労や不安、緊張が重なると自然と減っていきます。仕事で気を張り続けたり、人間関係に気を遣いすぎたりすると、見えないところでエネルギーが削られます。その結果やる気が出ない状態になりますが、これは怠けではありません。
スマートフォンの充電が減るのと同じで、補給せずに使い続ければ動かなくなるのは当然です。まずは消耗していることを認めることが、回復への第一歩になります。
自分を追い詰めるマインドセットの典型例
モチベーションを下げる原因として、厳しすぎるマインドセットが作用しているとも考えられます。よくある例としては、毎日同じペースで働くべきだという思い込みが挙げられるでしょう。体調や気分には波があるものです。なのにそれを無視して一定を求めると苦しくなります。
また、周りと比べて遅れていると感じる思考も、自分を追い詰めやすい要因です。迷惑をかけてはいけないという気持ちが強すぎると、助けを求められず消耗が進みます。これらは真面目な人ほど陥りやすい考え方なので、まずは気づくだけでも十分です。
第3章 モチベーションを守るマインドセットの基本原則
ここでは、無理なく続けるために知っておきたいマインドセットの基本的な考え方を整理します。
成長よりも安定を優先する考え方
結論として、常に成長を目指す必要はありません。一般的な成長重視の考え方は、元気なときには役立ちますが、心が疲れていると負担になります。
大切なのは回復と継続を目的にする視点です。今日は現状維持で十分、今週は安定して通えたら合格といった基準に変えるだけで、気持ちはかなり楽になります。成長は結果として後からついてくるものです。
モチベーションが下がらない人の共通点
モチベーションが安定している人は自分へのハードル設定が低めです。完璧を目指さず、できたことに目を向ける習慣があります。
<p小さな達成を積み重ねることで、心のエネルギーが補充されます。今日は出勤できた、少し集中できた、それだけでも十分な成果です。評価基準を変えることがマインドセットです。
自分を追い詰める思考と守る思考の違い
自分を責めてしまいメンタルを疲弊させてしまいがちなマインドセットと、安定を保ちながらモチベーションを持続していけるマインドセットには、主な場面別に見ると下記の表のような違いが見られます。
| 場面 | 自分を追い詰める思考 | 自分を守るマインドセット |
|---|---|---|
| 体調が悪い日 | 休むのは甘え | 回復も仕事の一部 |
| 作業が遅れた | 自分は能力が低い | 今日は調子が低めだった |
| ミスをした | 迷惑をかけてしまった | 次に活かす材料ができた |
表に見られるような「自分を責める思考」を「自分を守るマインドセット」に転換していくことが、メンタルを悪化させないようにしながらお仕事に取り組む鍵と言えるでしょう。
第4章 無理しすぎないためのマインドセット活用法 実践編
自分を守るマインドセットの考え方を知ったら、次はそれを日常でどう使うかが大切です。
できる量を基準に考えるクセをつける
まず、100点を目指すのをやめることが重要です。60点で十分という発想に切り替えると、心の負担が減ります。全部やろうとすると動けなくなりますが、できる分だけやると前に進めます。結果的に継続しやすくなり、モチベーションも保たれるでしょう。
調子の波を前提にスケジュールを考える
毎日同じでなくていいと認めることも大切です。調子の良い日、普通の日、しんどい日があるのは自然なことです。余裕のある日に少し多めに進め、しんどい日は最低限にする。そんな柔軟さが、長く働くためのコツと言えます。
モチベーションが下がった時の安全な対処法
無理にモチベーションを上げようとしないことが、心を安定に保つうえで安全と言えます。下がったら休む、切り替える、相談するという選択肢を持ちましょう。一時的に止まることは後退ではありません。回復のための行動だと考えれば、罪悪感も減らせるでしょう。
第5章 就労継続支援A型利用者に特に知ってほしい考え方
過剰に無視をすることなくモチベーションを維持していくためのマインドセットについて、最後に就労継続支援A型利用者の方に向けての大切な視点をまとめます。
働けていること自体に十分な価値がある
雇用契約のもとで働けている時点で価値は十分にあります。結果やスピードだけが評価ではありません。比べる相手は他人ではなく、自分の安全ラインです。続けられていること自体が成果です。
支援環境を使うことは弱さではない
配慮を求めることは利用者の立場として認められた権利を行使する正当な行動です。これは前向きな姿勢を継続するための調整であり、甘えではありません。環境を整えることも仕事の一部と考えると、気持ちが軽くなるでしょう。
マインドセットは自分を壊さないための土台
マインドセットの調整は、自分を変えるためだけの手段ではありません。周囲からの要求に100%合わせて自分自身を頑張らせるためではなく、自分自身を守るために使うことが重要です。
無理なく社会と関わり続けるための土台として、少しずつ心のクセを調整していきましょう。
まとめ
マインドセットは特別な知識や才能ではなく、誰でも持っている心のクセです。モチベーションが下がる原因はやる気不足ではなく、消耗しているだけの場合が多くあります。
成長より安定を優先し、できる量を基準に考えることで、無理なく続けることができます。特に就労継続支援A型>を利用している方は、自分を守る視点を大切にしてください。マインドセットは自分を追い込むためではなく、壊さずに働き続けるための味方です。
あとがき
人間とは不思議なもので、なにか課題が生じた時、これを乗り越えようと無理に自分を奮い立たせて切歯扼腕するほど逆に空回りして成果が出なくなるものです。
しかしそんな時、無理せず一旦休むなど気分転換の機会を持つと、これまで思いもしなかったアイディアが閃き課題を克服できることもままあります。これなども、無理をしないマインドセットがもたらすメリットの一つと言えるのではないでしょうか。

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