病気やケガで日常生活や仕事に支障がある時、経済的な支えとなる「障害年金」。名前は聞いたことがあっても、「自分は対象になるの?」「どうやって申請するの?」と疑問に思う方は少なくないでしょう。障害年金は、病気や障がいを持つ方の生活を支援するための大切な制度です。本記事では、障害年金の受給資格や申請方法について、初心者の方にもわかりやすく解説します。
障害年金ってどんな制度?基本を解説
障害年金とは、病気やケガによって生活や仕事が困難になった時に、国から支給される公的な年金制度のことです。この制度は、障がいを持つ方の生活を経済的に支えることを目的としています。老後の生活を支える老齢年金とは異なり、障がいを負った時の生活を支援するための大切な仕組みと言えるでしょう。
障害年金の種類
障害年金には、加入している年金の種類によって大きく二つに分かれています。
- 障害基礎年金:国民年金に加入している方が対象です。自営業者や専業主婦(夫)、そして20歳になる前に障がいを負った方が含まれます。
- 障害厚生年金:厚生年金に加入している方が対象です。会社員や公務員などが該当します。この障害厚生年金は、障害基礎年金に上乗せされる形で支給されることがあります。
受給のための主な要件
受給するためにはいくつかの要件を満たす必要があります。主な要件は以下の通りです。
- 初診日要件:障害の原因となった病気やケガで、初めて医師の診察を受けた「初診日」が特定できること。
- 保険料納付要件:初診日の前日において、一定期間の保険料を納付していること。
- 障害状態要件:初診日から1年6ヶ月を経過した日(障害認定日)において、政令で定められた障害等級に該当する状態であること。
幅広い病気やケガが対象に
うつ病やがん、人工関節置換といった身近な病気やケガも、要件を満たせば障害年金の対象となる可能性があります。また、生まれつきの病気や障がいのある方も対象となる場合があります。
専門家への相談も視野に
手続きは複雑で専門的な知識が求められることが多く、一人で対応するのが難しいと感じる方も少なくありません。初診日を証明する書類がなかったり、診断書の内容が不十分だったりすると、申請が認められないケースもあります。
少しでも不安を感じる場合は、お住まいの地域の年金事務所や、社会保険労務士などの専門家への相談を検討してみましょう。ご自身の生活を支える大切な制度ですので、必要に応じて専門家の力を借りることも視野に入れてみてください。
障害年金をもらうための3つの条件

障害年金は、病気やケガによって生活や仕事が困難になった方を経済的に支える大切な公的制度です。しかし、誰もが受け取れるわけではありません。この年金を受給するためには、主に3つの大切な条件を満たす必要があります。
1. 初診日要件
まず、障害の原因となった病気やケガで、初めて医師の診察を受けた日(初診日)が、年金に加入している期間中であることが求められます。
具体的には、国民年金や厚生年金の被保険者期間中、または20歳未満・60歳以上65歳未満で日本国内に住んでいる方が対象です。この初診日を証明する書類が、申請の際に最も重要となります。
2. 年金保険料納付要件
初診日の前日までに、定められた期間の年金保険料をきちんと納めている必要があります。
具体的には、初診日がある月の前々月までの公的年金加入期間のうち、3分の2以上の期間で保険料を納付していること、または初診日の前々月までの1年間に保険料の未納がないことが求められます。初診日が20歳前にある場合は、保険料の納付要件は問われません。
3. 障害状態要件
この要件は障害認定日において、法律で定められた障害等級(1級、2級、3級)に該当する程度の障害状態にあることです。障害認定日は初診日から1年6ヶ月を経過した日、またはその期間内に症状が固定した日とされています。
この日以降も障害の状態が続いているかを診断書などで証明し、審査を受けることになります。
これら3つの条件をすべて満たすことで、障害年金の申請が可能になります。ご自身の状況がこれらの要件に当てはまるかどうかわからない場合は、まずは初診日を特定し、保険料の納付状況を確認することが大切です。
うつ病やがん、人工関節置換など、身近な病気やケガも対象となる可能性があります。手続きは複雑になりがちなので、年金事務所や社会保険労務士などの専門家に相談することも視野に入れておくと良いでしょう。
ご自身の生活を守るための大切な制度ですので、まずは概要を理解し、不安な点があれば専門家を頼ることをおすすめします。
障害年金の等級と支給額の目安
障害年金の支給額は、障害の程度によって決まる「障害等級」によって異なります。障害等級は、主に1級、2級、3級に分かれています。
最も重い状態とされるのが「1級」です。これは、日常生活を送ることがほぼ不可能で、常に他人の介助が必要な程度の障害を指します。
次に「2級」は、日常生活に著しい制限がある状態です。例えば、一人で家事を行うことが困難であったり、働くことが難しい状態などが該当します。
「3級」は、労働に著しい制限がある状態です。仕事の内容や量に制限があったり、特別な配慮が必要な状態などが含まれます。障害基礎年金には3級はありませんが、障害厚生年金には3級が設けられています。
具体的な支給額は等級や加入している年金の種類、扶養家族の有無などによって変わりますが、1級が最も多く、2級、3級と等級が下がるにつれて支給額も少なくなります。あくまで目安として考えるのが良いでしょう。
障害年金の申請手続きの流れ

障害年金の申請は、いくつかのステップを踏む必要があります。まず、申請には様々な書類を準備しなければなりません。主に必要となるのは以下の書類です。
- 診断書:医師に作成してもらいます。病気やケガの現在の状態を詳しく記載してもらうことが重要です。
- 病歴・就労状況等申立書:ご自身で病気やケガの経緯、日常生活の状況を詳しく記入します。
- 初診日の証明書類:初めて医師の診察を受けた日を証明する書類です。受診状況等証明書などが該当します。
これらの書類を揃え、お住まいの地域の年金事務所や市区町村役場に提出します。書類提出後、日本年金機構で審査が行われ結果が通知されます。審査には数ヶ月かかる場合もあります。審査に通れば障害年金の受給が開始されます
申請でつまずきやすいポイントと専門家への相談
障害年金の申請は、書類の準備や手続きが複雑で、つまずいてしまう方も少なくないようです。特に多くの人が難しさを感じるポイントがいくつかあります。
一つは「初診日の証明」です。過去に受診した病院の記録が残っていない場合など、初診日を特定するのが難しいことがあります。
もう一つは「診断書の作成」です。医師に、日常生活や仕事の状況を正確に伝えることが大切ですが、どのように伝えれば良いか悩む方もいるでしょう。診断書は審査に大きく影響するため、慎重な対応が求められます。
このような難しい手続きを一人で進めるのが不安な場合は、「社会保険労務士」に相談してみるのも良いでしょう。障害年金の手続きを専門とする社会保険労務士は、書類の準備から提出までをサポートしてくれます。
専門家の力を借りることで、よりスムーズに、そして確実に申請を進めることができるかもしれません。
まとめ

障害年金は、病気やケガで生活に困っている方を経済的に支える大切な制度です。受給のためには、初診日要件、保険料納付要件、障害状態要件という3つの条件を満たす必要があります。
申請手続きは複雑に感じるかもしれませんが、この記事で紹介した内容を参考に、一つずつ準備を進めてみましょう。一人で進めるのが難しい場合は、社会保険労務士などの専門家の力を借りることもできます。
障害年金制度を上手に活用し、安心して療養や生活を送るための第一歩を踏み出してみませんか。
あとがき
障害年金は、病気やケガで困難な状況にある方にとって、大切な生活の支えとなる制度です。申請にはいくつかの要件や複雑な手続きがありますが、決して一人で抱え込む必要はありません。
この記事を参考に、まずはご自身の状況を確認してみてください。必要であれば専門家の助けを借りることもできます。障害年金制度を理解し、不安な気持ちを少しでも和らげ、安心してこれからの生活を送ってみましょう。
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